普段の生活で誰もがパッケージデザインには触れたことがあるはずです。
「パッケージ」は包むことや包装、あるいはひとまとめにすることなどを意味しています。
そして「デザイン」とは図案を作ることや、企てる、設計するという意味合いを含んでいるのです。
普段意識せずとも、パッケージがデザインされた商品を知らず知らずのうちに誰もが購入し、消費しているのではないでしょうか。
目次
お菓子や食品、玩具が入っているパッケージ
たとえばお菓子や食品、玩具が入っているパッケージがそうです。
普段意識せず、食べ物を取り出した後はゴミ箱に廃棄しているかもしれませんが、一つ一つのデザインにはデザイナーが頭を悩ませ、工夫を凝らして少しでも消費者の購買意欲を上げようとする努力の結晶がパッケージなのです。
それとは逆に、外装が可愛くて捨てられずに箱やケースから取り出した後も捨てずに飾っている方もいるではずです。
そこまでされるとデザイナー冥利につきます。
このように私達の暮らしのなかにはさまざまにデザインされた商品がひそんでいますが、パッケージのデザインを変えただけで大幅に売り上げが変わることがあります。
その一つについてお話しましょう。
コーヒーメーカーとのコラボレーション商品
一昨年、昨年と大きな話題となり、今年の5月には世界興行収入が1位など歴史的な大ヒットを飛ばしたアニメを、今や日本国民の大多数がご存知だと思います。
そのアニメとコラボレーションした商品は、次々と売り切れになり、一部の人間で買い占められて転売問題まで起きましたが、その裏で成功をおさめた商品があります。
それは、コーヒーメーカーとのコラボレーション商品です。
販売機でしか購入できないキャラクターコラボの缶コーヒーを、実は筆者も何度か近所の販売機で購入しました。
また、店頭に並んでいるコラボ缶コーヒーも、人気の高い主要キャラクターの商品は続々と売り切れになっていくのを目の当たりにした方も多いのではないでしょうか。
普段はコラボ缶コーヒーを扱っていない100円ショップでも取り扱いを開始したりと、その人気ぶりに驚いたりしたものです。
普段、缶コーヒーは独特の市場環境で、一部の根強い人気の消費者によって支えられていると言われています。
販売本数が1.5倍にまで跳ね上がった
そこにコーヒーを購入しない世代であるはずの子供や、お父さんお母さん世代、そしてお年寄り世代にまで販売が伸びたのですから異例と言えるほぞの売上アップだったようです。
販売本数が1.5倍にまで跳ね上がったと言われているのです。
ところがいつもは、缶コーヒーと言えばサラリーマンが仕事の合間に、ひと息入れようとオフィスの中や近隣にある販売機で消費されるのが常で、しかも最近ではコンビニ業界がクオリティーの高いコーヒーのカウンター販売を始めたものだから、昔よりも缶コーヒーは売れなくなってきていると言われています。
しかもライバル業界の参入だけではなく、昔はタバコとワンセットで自動販売機に並び購入されることが多かったコーヒーは、健康意識の上昇や、タスポの導入から、タバコの販売機が減少し、コーヒーをついで買いされることも減り、業界規模は縮小傾向にあるのです。
そんな中、大ヒットを飛ばしたアニメのコラボ缶コーヒーは、業界にとって大当たりだったと言えるでしょう。
日本人の好きな「ガチャガチャ」の要素を含んでいる
しかも缶コーヒーは店頭だけではなく、自動販売機でも購入が可能なため、出回る数が多く、転売騒ぎは起きなかったと筆者は記憶しています。
また、どのキャラクターが出るのか購入するまではわからない販売機の特別仕様は、日本人の好きな「ガチャガチャ」の要素を含んでおり、一度で好きなキャラクターが出れば大ラッキーで、出なければそのキャラクターに当たるまで購入を繰り返した方も多いはずです。
かくいう筆者も、好きなキャラクターが出るまでに4回は販売機で購入しました。
そして現在は缶を洗い、とって置いて部屋に飾っています。
このように、商品の外装が大きく売り上げに貢献することがあるのです。
コラボ缶が終了した時点でまた利益に伸び悩む
缶コーヒーだけではなく、昨年の2020年度はその大人気アニメがさまざまな企業とタイアップし、高利益を収めました。
ですがコーヒーメーカーの方は、コラボレーション商品は「諸刃の剣」だととらえているようです。
一度成功を収めたとは言っても、コラボ缶が終了した時点でまた利益に伸び悩むことになり、またキャンペーンを始めなければ盛り上がりが起きないということに頭を悩ませています。
結局は、コーヒーなど、清涼飲料品は嗜好品のため、味をおいしいと思ってもらわないことには、どんなものでも続かないと業界の関係者は考えているようです。
確かに外装の可愛らしさだけではなく、結局は中身も重要ということです。
コラボレーション商品の「箱」やそれに付随するキャラクターカードにばかり人気が高まり、カードを取り出した後にお菓子そのものは廃棄されると言った問題は昭和の頃から起きており、見た目だけには依存してはいけないのです。
まとめ
優秀な商品とは外装の良さと味や中身の質が高いもので、結局はそれが継続的な売り上げに繋がっていくのでしょう。
最終更新日 2023年8月28日