「もう若くないから…」
ふとした瞬間に、そんな言葉がよぎることはありませんか。
こんにちは。美容ライターの三浦知子です。
長年、多くの女性の美に触れ、また私自身も年齢を重ねる中で、強く感じるようになったことがあります。
それは、「年齢を味方にする美容」こそが、私たちを本当に輝かせてくれる、ということです。
美容界のパイオニアとして知られる、たかの友梨さん。
実は、彼女と私には、美容に対する考え方で深く共感する点が多くあります。
この記事では、たかの友梨さんの軌跡と私の経験を重ね合わせながら、年齢を重ねたすべての女性にお届けしたい、優しさと実感を込めた美容論をお話しさせていただきます。
たかの友梨という存在
美容に関心のある方なら、一度はその名を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
たかの友梨さんは、日本のエステティック業界を黎明期から牽引し、美容の可能性を社会に示し続けてきた、まさにパイオニアと呼ぶべき存在です。
美容業界に与えたインパクト
たかの友梨さんが「たかの友梨ビューティクリニック」を創業されたのは1978年のこと。
当時、エステティックはまだ一部の特別な人たちのものでした。
しかし彼女は、
「すべての女性に美と癒しを提供したい」
という強い思いのもと、世界各国の伝統的な美容法や最新技術を積極的に導入し、エステティックの門戸を広く開いてこられました。
その情熱は技術の追求だけに留まりません。
エステティシャンの育成にも力を注ぎ、業界全体の質の向上に貢献されてきたのです。
まさに、日本の美容文化を豊かにし、多くの女性が美を通じて自信を持つきっかけを作られた方と言えるでしょう。
「贅沢」から「自己メンテナンス」への価値転換
かつて「エステは贅沢品」というイメージがあったかもしれません。
しかし、たかの友梨さんは、美容を「特別なご褒美」から「自分を大切にするためのメンテナンス」へと、その価値観を転換させる先駆けとなりました。
「きれいになる喜びを知り、美しくなることで心まで癒されるエステ」
「自分の力で生きようとしている女性たちに生きる力を贈る」
このような言葉からも、彼女が目指す美容が、単に外見を飾るものではなく、心を満たし、前向きに生きる力につながるものだと考えていらっしゃることが伝わってきます。
それは、日々の喧騒の中でつい後回しにしがちな「自分を労わる時間」の大切さを、改めて教えてくれるようです。
筆者が取材で感じたリアルな姿
私自身、ライターとして活動を始めた初期に、たかの友梨ビューティクリニックの草創期について取材させていただく機会がありました。
その際に間近で拝見したたかの友梨さんは、メディアで拝見する華やかなイメージそのままに、圧倒的なエネルギーと美への探究心に満ち溢れた方でした。
実は、そのようなたかの友梨さんの揺るぎない強さの背景には、子供時代の知られざる物語も深く関わっているのかもしれません。
しかし同時に、お客様一人ひとりの悩みに真摯に耳を傾け、エステティシャンの方々を愛情深く指導される姿も目の当たりにしました。
「美のプロフェッショナル」としての厳しさと、「一人の女性」としての温かさ。
その両面を兼ね備えた姿は、今も私の心に深く刻まれています。
筆者自身の美容遍歴と転機
ここで少し、私自身の話をさせてください。
たかの友梨さんほど華々しいものではありませんが、私もまた、紆余曲折を経て現在の美容観に至りました。
伊勢丹時代のファッション視点からの美
大学で被服学を学んだ私は、卒業後、伊勢丹に就職しました。
婦人服売り場での販売からキャリアをスタートし、その後バイヤーとして国内外を飛び回る日々。
流行の最前線で、数えきれないほどの「美しさ」に触れてきました。
当時の私にとって「美」とは、主にファッションを通じて表現されるもの。
いかに自分を魅力的に見せるか、流行をどう取り入れるか、という外見的な側面に強い関心がありました。
それはそれで刺激的で、充実した毎日だったと感じています。
美容の“内側”に目覚めた40代
40代を目前にした頃、私の心境に変化が訪れます。
「表面を飾るだけでなく、もっと内側から輝くような美しさを知りたい」。
年齢を重ねる中で、シミやシワといった肌の変化を感じ始めたことも、その思いを強くした一因かもしれません。
どれだけ素敵な洋服をまとっても、肌そのもの、そして心の状態が健やかでなければ、本当の美しさには繋がらないのではないか。
そんな思いが日に日に大きくなり、長年勤めた伊勢丹を退職するという大きな決断をしました。
エステスクールでの学びと再出発
その後、私はエステスクールに入学し、美容の基礎から学び直しました。
皮膚の構造、栄養学、トリートメント技術…。
そこでの学びは、私にとってまさに目から鱗の連続でした。
- 肌の仕組みの奥深さ
- 心と体の繋がりの重要性
- 手で触れることの癒しの力
これらは、ファッションの世界だけでは得られなかった、新しい「美」への視点でした。
そして2009年、これまでの経験と新たな学びを融合させ、美容・健康ライターとしての活動をスタートさせたのです。
共通点から読み解く「年齢と美容」の哲学
たかの友梨さんと私。
歩んできた道は異なりますが、「年齢と美容」に対する考え方には、不思議と通じ合うものがあると感じています。
「年齢に抗わない」たかの友梨と筆者の姿勢
たかの友梨さんは、70代半ばを過ぎてもなお、驚くほど美しい肌とプロポーションを維持されています。
しかし、彼女の言葉からは、「若さにしがみつく」というよりも、「今の自分を最高に輝かせる」というポジティブなエネルギーを感じます。
「この年齢だから無理、ということはないですね」
この言葉に象徴されるように、年齢をハンディキャップと捉えず、むしろ経験として積み重ねていく姿勢。
それは、私がライターとして「年齢に抗うのではなく、味方につける美容」を発信し続ける原動力とも重なります。
無理な若作りではなく、年齢を重ねたからこそにじみ出る品格や優雅さを大切にしたい。
シミやシワも、生きてきた証として愛おしむ。
そんな「受容」の先にある美しさを、私たちは共に目指しているのかもしれません。
年齢を重ねるごとに深まる美しさへの理解
若い頃の美しさが、一瞬のきらめきだとしたら。
年齢を重ねた美しさは、時間をかけて磨かれた宝石のような深みを持つのではないでしょうか。
さまざまな経験や感情を知ることで、人の内面は豊かになります。
その豊かさが、表情や佇まい、そして肌にさえ、奥行きのある輝きを与えるのだと私は信じています。
たかの友梨さんが長年、多様な美容法を追求し続けているのも、美しさのあり方が一つではないことを深く理解されているからでしょう。
そして私もまた、取材や自身の体験を通して、画一的ではない、一人ひとりの「その人らしい美しさ」を見つけるお手伝いをしたいと願っています。
「自分を慈しむ」美容習慣のすすめ
年齢を重ねると、自分よりも家族や仕事を優先しがちになるかもしれません。
しかし、そんな時だからこそ、「自分を慈しむ」時間としての美容が大切になってくると、私たちは考えています。
「自分を慈しむ」美容習慣とは、決して高価な化粧品を揃えたり、複雑なステップをこなしたりすることだけではありません。
むしろ、日々のちょっとした心がけが大切です。
- 丁寧なスキンケア:自分の肌と向き合い、優しく触れる時間を持つ。
- バランスの取れた食事:体の中から美しさを育む意識を持つ。
- 質の良い睡眠:心と体を十分に休ませる。
- 適度な運動:心身のリフレッシュと健やかな体づくり。
- 笑顔を心がける:内面からの輝きを引き出す。
これらは、たかの友梨さんが提唱する「自己メンテナンス」の考え方にも通じます。
自分を大切に扱うことで、心にゆとりが生まれ、それがまた美しさへと繋がっていくのです。
体験から見えた“今こそ必要な美容”
美容ライターとして、私は「必ず自身でも商品や施術を体験し、現場の声を取り入れる」ことを信条としています。
その中で見えてきた、「今の私たちに本当に必要な美容」についてお話ししたいと思います。
実際に試した施術・商品からの学び
これまで、数多くのエステ施術を体験し、さまざまな化粧品を試してきました。
例えば、ある時体験した「アーユルヴェーダ」のオイルトリートメント。
温かいオイルが全身にゆっくりと浸透していく感覚は、日々の緊張が解き放たれ、心身の奥深くから癒されるような体験でした。
それは、単に肌が潤う以上の、「自分を労わってもらっている」という満たされた感覚を与えてくれました。
また、あるエイジングケア美容液を試した際には、数週間で肌のハリ感が明らかに変わるのを実感しました。
しかし、それ以上に嬉しかったのは、鏡を見るたびに「今日の肌の調子、いいかも」と、前向きな気持ちになれたことです。
これらの体験から学んだのは、「心地よさ」と「確かな手応え」のバランスが、今の私たちには大切だということです。
h4: 私が考える「心地よさ」と「手応え」
- 心地よさ
- 肌に優しい使用感
- リラックスできる香り
- 無理なく続けられる手軽さ
- 心まで満たされるような感覚
- 確かな手応え
- 肌悩みにアプローチできる成分
- 目に見える変化(潤い、ハリ、透明感など)
- 使うことで自信が持てる効果
どちらか一方だけでは、長続きしなかったり、満足感が得られなかったりするかもしれません。
この二つの要素を満たすものこそが、私たち世代の美容の良きパートナーとなるのではないでしょうか。
現場の声に耳を傾けるライターの視点
取材を通じて、多くのエステティシャンや美容部員の方々、そして実際にサービスを受けているお客様の声に耳を傾けてきました。
そこで共通して聞かれるのは、「今の自分に何が必要か、わからなくなってしまった」というお悩みです。
情報が溢れる現代において、本当に自分に合った美容法を見つけるのは容易ではありません。
だからこそ、プロの視点と、同じように悩みを抱える生活者の視点、その両方から情報を吟味し、分かりやすく伝えることが私の役割だと感じています。
お客様からは、こんな声もよく聞かれます。
「無理なく続けられて、少しでも効果を感じられるものがいい」
「若い子向けの派手なものではなく、落ち着いた雰囲気で、でも気分が上がるようなものが欲しい」
「専門的なアドバイスは欲しいけれど、高圧的な態度は苦手…」
これらの声は、私たちが求める美容のリアルな姿を映し出しています。
「今の私にちょうどいい美容」とは何か
では、「今の私にちょうどいい美容」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
それは、決して一つではありません。
肌質やライフスタイル、価値観によって、その答えは異なります。
しかし、共通して言えるのは、
「背伸びしすぎず、でも少しだけ気持ちを高めてくれるもの」
ではないでしょうか。
- 肌の変化を穏やかに受け入れ、サポートしてくれるケア
- 日々の生活に無理なく取り入れられる手軽さ
- 使うたびに、自分のことを少し好きになれるような満足感
これらを満たす美容法やアイテムを見つけることが、「年齢を味方にする」第一歩になると、私は考えています。
焦らず、ご自身の肌と心に問いかけながら、じっくりと探してみてください。
美しさは生き方に宿る
これまで美容の具体的なお話をしてきましたが、最後に、私が最も大切にしている美の哲学について触れたいと思います。
岸惠子の言葉に導かれて
私が大きな影響を受けた一冊に、女優であり作家でもある岸惠子さんの『ベラルーシの林檎』があります。
この本の中で描かれる、激動の時代を生き抜いた女性たちの姿や、岸さん自身の凛とした生き様に、私は深く心を揺さぶられました。
そして、いつしか「女性の生き様には必ず美しさがある」という言葉が、私の信条となりました。
それは、若さや容姿の美しさだけを指すのではありません。
困難に立ち向かう強さ、優しさ、知性、ユーモア、そして何よりも、自分に正直に生きようとする姿勢そのものが、人を美しく輝かせると信じています。
美と人生を重ね合わせる視点
美容とは、単に外見を整える技術ではなく、その人の生き方や在り方と深く結びついているものです。
日々のスキンケアやメイクは、自分自身と向き合い、慈しむ時間。
エステサロンでのひとときは、心身を解放し、新たな活力を得るための投資。
美しくあろうとすることは、自分を大切にし、人生をより豊かにしようとする意志の表れではないでしょうか。
年齢を重ねるということは、たくさんの経験を積み、多くの感情を知ること。
そのすべてが、あなたの「生き様」となり、他にはない唯一無二の美しさを形作っていくのです。
すべての世代に伝えたい「年齢は財産」というメッセージ
もし、あなたが今、年齢を重ねることに少しでも不安を感じているとしたら。
ぜひ、この言葉を思い出してください。
「年齢は、重ねた分だけ豊かになる財産である」と。
若い頃にはなかった落ち着きや深み。
経験から得た知恵や洞察力。
さまざまな人との出会いによって育まれた優しさ。
これらはすべて、時間という贈り物がもたらしてくれた、あなただけの宝物です。
その財産を、美容という力でさらに磨き、輝かせていく。
それこそが、「年齢を味方にする美容」の醍醐味だと、私は心から思います。
まとめ
美容の世界は、日々進化しています。
新しい技術や成分が登場し、私たちの選択肢はますます広がっています。
しかし、どんなに時代が変わっても、美容が私たちにもたらす「喜び」や「自信」といった本質的な価値は変わらないでしょう。
たかの友梨さんが切り拓いてこられた道と、私自身がライターとしてお伝えしたいこと。
それは、「年齢を重ねることは、美しさを諦めることではなく、むしろ新しい美しさに出会うチャンスなのだ」ということです。
“成熟した美”とは、内面から滲み出る輝きであり、自分自身を深く理解し、慈しむことから生まれます。
この記事が、あなたが「今の自分」をもっと好きになり、日々の美容をより楽しむための一助となれば、これ以上の喜びはありません。
さあ、あなたも「年齢を味方にする美容」を始めてみませんか。
きっと、昨日よりも少しだけ、自分のことが愛おしく思えるはずです。
最終更新日 2025年5月12日