高齢者介護施設は今や日本にとって日常の風景の中にある建物の一つといえるでしょう。
福祉事業所でいえばコンビニエンスストアよりも多いとされています。
そのなかで自身や家族が介護施設への入所を検討するようになった際に何を基準に選ぶのがよいでしょうか。
最近の傾向なども踏まえ、私感ではありますが説明していきます。
まず始めに、介護施設の種類について簡単に説明します。
主には特別養護老人ホームショートステイなどの介護補保険施設、次に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの介護保険外の施設があります。
入居の条件などもありますが、ニーズごとに説明していきます。
費用を安く、介護保険を使いたい方は特別養護老人ホームを選びます。
要介護3以上という条件がありますが、介護費用は原則1割(高所得者は2割)で利用でき、あとは自費分の食費、居住費などがあります。
人によって5万円~と負担が軽いこともあります。
運営は社会福祉法人が担います。
看取りも行う為、終の棲家として入所できる施設になります。
入居待ちが多く、申し込んですぐに入るのが難しいことが挙げられます。
費用が掛かっても入所したい方は有料老人ホームを選択します。
介護付き、住宅型、健康型という複数種類あるのが特徴です。
介護付きに関してはターミナルケアを実施している施設も多く、特養の代わりとして注目を集めています。
ただし、入居費用は割高で1か月10万~が相場のようです。
住宅型は共同生活で食事のサービスはついていますが、介護などのサービスは外部の支援を受けることができます。
ターミナルケアを実施している施設もあります。
健康型は食事のサービスが受けられますが、それ以外は原則自分で行います。
介護が必要になると退去しなければなりません。
よい施設の傾向
以上のように豊富な種類の施設が存在することが分かったと思います。
ですが、どの施設にも共通してよい施設の傾向というものはもちろんあります。
まず施設が綺麗かどうかです。
入口や事務室、玄関などをみて、ある程度の手入れがされているかの確認をしましょう。
また、入り口に無数のパンフレットやカタログがある施設は置くだけおいて管理ができていない傾向があります。
また、その担当者も曖昧な点ということで、仕事分担が不徹底な施設かもしれません。
施設内を説明、案内する職員は清潔感や挨拶などをしっかりするのは当然です。
しかし、現場で働いている介護スタッフに目を向けてください。
年齢層や服装に加え、利用者への声掛けや介護の対応なども見てみましょう。
自分がされていい介護かどうかを基準にするよりも、自分の大切な人がそこの施設に介護してもらいたいかどうかを基準にしてください。
介護職員のサービスの質の問題などは介護業界の課題でありますが、研修システムや第三者の評価という視点から、良い施設かどうかを見極めるのです。
料金面も確認が必要
次に料金面での説明が十分かどうか、わかりやすいかなど確認をしてください。
介護保険施設ではサービス基本料と施設の体制などによる加算が介護保険料に入っています。
その加算項目が一つ一つ説明されているかどうか、それ以外の費用である、食費、居住費がどうか、雑費があるのかなど確認しておきましょう。
介護保険外の施設については、入居費用、居室料、サービス料、共有費、食費などの内訳をしっかり確認しておきましょう。
何を根拠に内訳が存在するのかなども把握することで施設のサービスの透明性を確認することができます。
それ以外の基準は、施設の管理規定や苦情受付箱があるかなど、本来施設運営に義務付けられているものを調べてみましょう。
第3者の目を意識して運営している施設とそうでない施設では利用者に直接かかわらない部分の徹底がなされています。
施設の管理が行き届いているかというのはとても大事なことです。
管理者が名ばかり職であったりすると運営の規定すら頭に入っていない人がいます。
可能であれば、責任者、管理者クラスト話ができるとよいですね。
施設の運営の面はこれらの事が言えますが、次に自分の入りたい施設かどうかを見極める方法です。
例えば、容体急変時に施設側がどれほど対応できるのかなどは大きいです。
ターミナルケアの受け入れができる施設については入所時に人生の終わりに向かって検討を行いますが、徹底できていない施設ではこのあたりをおろそかにします。
もちろん、食事がとれなくなった場合はどうするか?水分は経口摂取まででそれ以降点滴などはしないのか?など、先の事を聞かれてもわかるはずありませんが、家族の希望を親身になって考えてくれる施設であることは大きなポイントです。
施設見学をする場合、まず、建物の概要や入居費用などが大きく上がってきますが、重視すべき点は、そこで働く職員像が良いかどうかでしょう。
自身や家族の人生を預ける老人ホームですから、人をしっかり見てくれる施設であることを確認するとよいでしょう。
「老人ホーム 神奈川」より引用
最終更新日 2025年5月12日