投資・マネー

危険な投資の始め方に注意!初心者が絶対避けるべきワナ

「将来のために、そろそろ投資を始めたい」
「でも、何が危険で、何から手をつければいいのか全くわからない…」

そんな期待と不安を胸に、情報収集をされているのではないでしょうか。

はじめまして。元証券会社勤務のファイナンシャルプランナー、田中健一と申します。私は15年間、個人投資家の方々の資産形成をお手伝いしてきましたが、その中で、あと一歩の知識があれば避けられたはずの失敗で、大切な資産を失ってしまう方を数多く見てきました。

特に投資を始めたばかりの初心者の方は、知識や経験が少ないために、思わぬワナにハマってしまうケースが後を絶ちません。

この記事では、私がこれまで見てきた数々の失敗事例をもとに、投資初心者が絶対に避けるべき「7つの危険なワナ」と、そこから身を守り、安全に資産形成の第一歩を踏み出すための具体的な方法を、専門用語を避けて分かりやすく解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたは危険な投資話を冷静に見抜き、自分に合った安全な投資の始め方が明確になっているはずです。大切な資産を守り、育てるために、ぜひ最後までお付き合いください。

なぜ投資初心者はワナにハマりやすいのか?

本格的な解説に入る前に、なぜ多くの初心者がワナにはまってしまうのか、その心理的な背景を少しだけお話しさせてください。これを知っておくだけでも、冷静な判断をしやすくなります。

「早く儲けたい」という焦り

「周りはNISAやiDeCoで儲かっているらしい」「乗り遅れたくない」といった焦りは、危険な投資への入り口になりがちです。早く結果を求めるあまり、リスクの高い話に飛びついてしまうのです。しかし、投資の世界では「急がば回れ」が鉄則です。

知識不足と情報過多のアンバランス

今はSNSや動画サイトで、誰もが投資情報を発信できる時代です。情報が溢れている一方で、どれが本当に信頼できる情報なのかを見極めるのは至難の業です。知識が不十分なまま断片的な情報に踊らされてしまうと、大きな失敗につながりかねません。

誰に相談していいかわからない孤独感

「投資の話は、友人や家族にはしづらい…」と感じる方は少なくありません。一人で悩みを抱え込み、SNSで親切そうに声をかけてきた人物を安易に信じてしまう。こうした孤独感が、詐欺などの被害に遭う一因となっています。

【危険度別】初心者が絶対に避けるべき7つのワナ

それでは、本題です。ここからは、投資初心者が特に注意すべき7つのワナを、危険度別に解説していきます。ご自身が「これは大丈夫かな?」と感じるものがないか、チェックしながら読み進めてみてください。

ワナ1:「元本保証・高利回り」のうまい話【詐欺の典型】

「元本は保証します。月利5%の配当が出ます」

もしあなたがこのような勧誘を受けたら、それは詐欺である可能性が極めて高いと断言できます。

投資の世界に、「絶対に損をしない(元本保証)」で「高いリターン(高利回り)」が得られる魔法のような話は存在しません。そもそも、金融商品を扱う業者が元本保証を約束して出資を募ることは、出資法という法律で原則禁止されています。

このような話の多くは「ポンジ・スキーム」と呼ばれる古典的な詐欺手法です。 これは、運用実態がないにもかかわらず、新規出資者から集めたお金を、以前の出資者への配当に回すという自転車操業の仕組みです。 最初は配当が支払われるため信じてしまい、追加投資や友人を紹介した結果、最終的に運営者が資金を持ち逃げして破綻します。

▼注意すべきキーワード

  • 元本保証、絶対儲かる
  • 高利回り、月利〇%
  • 未公開株、新規公開(IPO)すれば必ず儲かる
  • 海外のすごいファンド(実態が不明確)
  • あなただけに教える特別な情報

これらの言葉が出てきたら、即座に距離を置きましょう。金融庁も繰り返し注意喚起を行っています。

ワナ2:SNSのインフルエンサー情報を鵜呑みにする【現代のワナ】

近年、被害が急増しているのがSNSを悪用した投資詐欺です。 警察庁の発表によると、SNS型投資詐欺の被害額は急増しており、非常に深刻な問題となっています。

その手口は巧妙化しており、以下のような特徴があります。

手口のパターン詳細
著名人なりすまし型有名な投資家や実業家の写真や名前を無断で使用した偽の広告で、「投資の極意を教えます」などとLINEグループに誘導する。
ロマンス詐欺型マッチングアプリやSNSで知り合い、恋愛感情を抱かせた上で「二人の将来のために」などと、偽の投資サイトへの入金を促す。
グループチャット型誘導されたLINEグループ内では、運営者(先生やアシスタント)と多数のサクラが「こんなに儲かりました!」と成功体験を次々に投稿し、信用させる。

一度信じてお金を振り込むと、「利益を引き出すには追加の手数料が必要」などと次々にお金を要求され、最終的に連絡が取れなくなるのが典型的なパターンです。

SNSの情報はあくまで参考程度にとどめ、「DMや非公開グループでのうまい話」は100%疑ってかかる姿勢が重要です。

ワナ3:よくわからない金融商品に手を出す【知識不足の代償】

FX(外国為替証金取引)、暗号資産(仮想通貨)、信用取引、CFD、仕組債…。これらの言葉を聞いたことがありますか?

これらは、少ない資金で大きな利益を狙える可能性がある一方、仕組みが複雑でリスクも非常に高い「ハイリスク・ハイリターン」な金融商品です。

金融の世界でいう「リスク」とは「危険」という意味ではなく、「値動きの幅」を指します。 つまり、ハイリスクな商品は、短期間で資産が2倍になる可能性もあれば、半分、あるいはゼロになってしまう可能性もあるということです。最悪の場合、元本を超える損失(追証)が発生するものもあります。

初心者が絶対に守るべき鉄則は、「自分が理解できないものには投資しない」ことです。 カタカナの専門用語や、複雑そうなグラフを見て「何となくすごそう」という理由で手を出すのは、絶対にやめましょう。

ワナ4:一つの銘柄に全資産を投じる「集中投資」【リスク管理の欠如】

「この会社の将来性はすごいらしい!」「この仮想通貨はこれから100倍になる!」

そんな情報に確信を持ち、自分の全資産を一つの銘柄や商品に注ぎ込んでしまう。これは非常に危険な行為です。これを「集中投資」と言います。

どんなに将来有望に見える企業でも、不祥事や業績悪化で株価が暴落する可能性は常にあります。もし集中投資していた場合、その影響をダイレクトに受け、資産の大部分を失いかねません。

投資の基本は「分散投資」です。

  • 資産の分散:株式だけでなく、債券や不動産など、値動きの異なる複数の資産に分ける。
  • 地域の分散:日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、新興国など、世界中の国に分ける。
  • 時間の分散:一度にまとめて買うのではなく、毎月コツコツと買い付ける(積立投資)。

「卵は一つのカゴに盛るな」という格言の通り、複数のカゴに分けておくことで、もし一つがダメになっても他の卵は守られるのです。

ワナ5:短期的な値動きで一喜一憂する「感情的な取引」【冷静さの欠如】

投資を始めると、日々の価格変動が気になって仕方がない、という方は多いです。そして、初心者がやりがちな失敗が、この値動きに心を揺さぶられてしまうことです。

  • 株価が少し下がった → 「もっと下がるかも!」と怖くなって慌てて売ってしまう(狼狽売り)。
  • 株価が少し上がった → 「もっと上がるはず!」と欲が出て売るタイミングを逃す。

こうした感情に基づいた取引は、長期的に見ると失敗につながる可能性が高いです。 特に、狼狽売りをしてしまった後で株価が回復していくのを見ると、「売らなければよかった…」と後悔し、次の投資判断にも悪影響を及ぼします。

資産形成のための投資は、本来、数年〜数十年単位でじっくりと行うものです。 日々の細かい値動きに一喜一憂せず、冷静に、どっしりと構える姿勢が大切です。

ただし、その長期投資の前提となる市場環境を常に冷静に分析する視点も、資産を守る上では同様に重要です。例えば、現在の世界的な株高を「カネ余りバブル」と捉え、近い将来に大きな調整、つまり暴落が来ると警鐘を鳴らす専門家もいます。

投資運用歴54年のベテランによる著書『大逆回転前夜 資産防衛の最終警告』などは、そうした厳しい視点を提供する一冊です。この記事で推奨する長期的な視点を持ちつつも、一つの考え方に固執せず、様々なシナリオを想定しておくことが、最終的にご自身の資産を守ることにつながります。

ワナ6:損失を受け入れられない「損切りできない病」【心理的なワナ】

買った株の価格が下がり、含み損を抱えてしまった。そんな時、あなたならどうしますか?

「いつかまた価格が戻るはずだ」
「ここで売ったら損失が確定してしまう…」

そう考えて、売るに売れず、そのまま保有し続けてしまう状態を「塩漬け」と言います。 そして、損失を確定させる行為を「損切り」と呼びます。

プロの投資家ほど、この「損切り」を徹底しています。一方で、初心者はなかなか損切りができません。 これには、「損失回避性」という人間の心理が関係しています。行動経済学の「プロスペクト理論」では、人は利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛を2倍以上強く感じると言われています。 そのため、損失を確定させるという痛みを避けようとしてしまうのです。

しかし、損切りをためらった結果、さらに株価が下落して損失が拡大してしまうケースは少なくありません。 投資を始める際は、「買ったら、いくら下がったら売るか」という損切りのルールをあらかじめ決めておくことが、致命傷を避けるために非常に重要です。

ワナ7:生活資金や借金で投資する【最も危険な行為】

これはワナというより、絶対に越えてはならない一線です。

投資は、必ず「余剰資金」で行ってください。

余剰資金とは、当面の生活費や、近い将来に使う予定のあるお金(結婚資金、教育費など)を除いた、万が一なくなっても生活に支障が出ないお金のことです。

生活資金に手をつけてしまうと、「このお金を減らすわけにはいかない」という強いプレッシャーから冷静な判断ができなくなります。 少しでも価格が下がると恐怖で眠れなくなり、正常な日常生活を送ることすら困難になるでしょう。

ましてや、カードローンなどで借金をしてまで投資を始めるのは論外です。投資で得られるリターンよりも、借金の金利の方が高くなるケースがほとんどですし、失敗すれば多額の借金だけが残ることになります。

危険なワナから身を守り、安全に投資を始めるための3ステップ

ここまで危険なワナについて解説してきましたが、怖がらせたいわけではありません。正しい知識を身につけ、正しい手順を踏めば、投資はあなたの将来を豊かにする力強い味方になります。

ここからは、元証券マンの私が推奨する、初心者でも安全に投資を始められる3つのステップをご紹介します。

ステップ1:目的とリスク許容度を明確にする

まず、なぜ投資をするのかを明確にしましょう。

  • 目的:老後資金、子どもの教育資金、住宅購入の頭金など
  • 目標金額:いつまでに、いくら必要か
  • リスク許容度:どれくらいの損失までなら精神的に耐えられるか

目的が明確になれば、自ずと選ぶべき金融商品や取るべきリスクの大きさが決まってきます。いきなり個別株やFXに手を出すのではなく、「30年後の老後資金のために」と考えるなら、もっとリスクの低い方法を選ぶべきです。

ステップ2:少額から「長期・積立・分散」を実践する

目的が決まったら、いよいよ実践です。しかし、いきなり大金を投じる必要はありません。まずは月々5,000円や1万円といった少額から始め、値動きに慣れることが大切です。

そして、投資の王道と言われる以下の3つの原則を徹底しましょう。

投資の原則内容メリット
長期投資10年、20年といった長い期間で資産を保有し続ける。短期的な価格変動に惑わされず、複利の効果(利益が利益を生む効果)を最大限に活かせる。
積立投資毎月1万円など、決まった金額を定期的に買い続ける。価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことになるため、平均購入単価を抑える効果(ドルコスト平均法)が期待できる。
分散投資投資対象の資産(株式、債券など)や地域(国内、海外)を複数に分ける。特定の資産や地域が暴落しても、他の資産でカバーできるため、全体的なリスクを低減できる。

この「長期・積立・分散」は、投資の神様ウォーレン・バフェットもその有効性を認める、再現性の高い投資手法です。

ステップ3:税制優遇制度(NISA・iDeCo)を活用する

「じゃあ、具体的に何を買えばいいの?」という方におすすめなのが、国が用意してくれたNISA(ニーサ)iDeCo(イデコ)といった税制優遇制度を活用することです。

通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、これらの制度の範囲内で行った投資であれば、その利益が非課税になります。

▼NISAとiDeCoの簡単な特徴

  • NISA:少額投資非課税制度。年間投資上限額の範囲内で得た利益が非課税になる。いつでも引き出し可能で、教育資金や住宅資金など、老後資金以外の目的にも使いやすい。
  • iDeCo:個人型確定拠出年金。掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税。老後資金準備に特化しており、原則60歳まで引き出せない。

これらの制度では、金融庁が厳選した比較的リスクの低い投資信託などが対象商品となっているため、初心者が危険な商品を選んでしまうリスクを減らすことができます。 まずはNISAやiDeCoで「長期・積立・分散」を実践することから始めるのが、最も安全で賢明な第一歩と言えるでしょう。

まとめ

今回は、投資初心者が絶対に避けるべき危険なワナと、安全な投資の始め方について解説しました。

最後にもう一度、重要なポイントを振り返ります。

▼初心者が避けるべき7つのワナ

  1. 「元本保証・高利回り」のうまい話:詐欺を疑う。
  2. SNSのインフルエンサー情報:鵜呑みにせず、DMでの勧誘は無視する。
  3. よくわからない金融商品:理解できないものには手を出さない。
  4. 一つの銘柄への集中投資:必ず分散を心がける。
  5. 短期的な値動きでの感情的な取引:長期的な視点を忘れない。
  6. 損失を受け入れられない損切りできない病:事前に売却ルールを決めておく。
  7. 生活資金や借金での投資:必ず余剰資金で行う。

▼安全に投資を始めるための3ステップ

  1. 目的とリスク許容度を明確にする
  2. 少額から「長期・積立・分散」を実践する
  3. 税制優遇制度(NISA・iDeCo)を活用する

投資は、決して怖いものではありません。正しい知識を身につけ、リスクを適切に管理すれば、あなたの将来を支える力強い味方になってくれます。

焦る必要はありません。まずは少額から、ご自身のペースで学びながら、賢い資産形成の第一歩を踏み出してみてください。この記事が、その一助となれば幸いです。

最終更新日 2025年12月26日