「事業売却の流れについて知りたい」
「事業売却と会社売却ってどう違うの?」
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事業売却とは、会社や個人事業主が行っている事業を第三者に売却することを指します。
M&Aの一種で、事業譲渡とも呼ばれますが、売却側はどの事業を譲渡するのかを選択できるため、大きく事業の全てを売却する全部譲渡と特定の事業のみを売却する一部譲渡に分けられます。
また、第三者に譲渡する事業には、設備・機械・知的財産・従業員・ブランド・取引先・仕入れ先・販路など事業を行う上で必要な全ての財産が含まれるのが特徴です。
光本勇介さんに事業売却と会社売却の違いを聞いてみる
事業売却は会社売却と混同されがちですが、会社売却は文字通り会社全体を売却することを指します。
具体的な違いとしては、売却対象・売却対価の受領者・消費税課税の有無の3点が挙げられます。
事業売却では個別の資産・負債・従業員・ブランド力・販路など事業に必要なもの全てが売却対象となりますが、会社売却の対象となるのは株主が保有している株式です。
会社売却では、株主が保有する全ての株式を第三者に売却することで、買い手側は親会社となり間接的に売り手側の会社を経営することになります。
また、事業を売却する場合、売却時の対価を得るのは売り手側の会社や個人ですが、会社売却で対価を得るのは売り手側の株主です。
そのため、会社が事業を売却して利益が発生した場合は法人税が、会社を売却して利益が発生したら売り手側の株主に譲渡所得税が課されます。
なお、対価を受け取る株主は個人株主の場合もあれば、法人株主のこともあります。
消費税については、会社売却は消費税の課税対象とはなりません。
これは株式譲渡は非課税取引であるためですが、一方で事業を売却する場合は消費税が課されます。
したがって、事業の売買では買い手側が消費税を負担することになりますが、土地など非課税取引については消費税は課されません。
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売り手側のメリット
以上が事業売却と会社売却の違いとなりますが、事業売却には売り手側・買い手側の双方にメリットがあります。
売り手側のメリットとしては、資金が得られる・一部の事業のみ譲渡できる・譲渡後も従業員や資産を残せるといったものが挙げられます。
事業を売却すると当然ながら資金が得られるので、運転資金や負債の返済、新規事業への投資といった用途に使うことが可能です。
また、売却した事業が追っていた負債の返済に売却資金を充てれば、赤字を縮小することができます。
事業譲渡の特徴のひとつが、特定の事業のみを売却できることです。
赤字の不採算部門のみを売却することも可能なので、損失が膨れ上がるのを防げるとともに、分散していた人材や設備を黒字事業に集中させることで経営の安定化を図ることもできます。
さらに、売却する資産を選べるのもメリットのひとつです。
会社売却とは異なり、譲渡後も会社はそのままの形で存続できるとともに、残したい人材や設備、ノウハウなどを維持したまま不要な事業のみを売却できます。
買い手側のメリット
次に買い手側についてですが、主に取引対象の範囲を選択可能・負債や債務の継承が不要・節税効果といったメリットがあります。
事業譲渡における買い手は、譲り受ける事業の範囲を選択することができます。
また、会社全体が譲渡対象となる会社売却とは異なり、買い手側は売り手側の負債や債務を継承する必要がありません。
利益が見込める事業や欲しい人材などを選択可能で、余計なリスクを譲り受ける必要がないのは大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、称号を譲り受ける場合は、承継する事業によって発生した債務を引き継がなければならないケースもあります。
さらに、事業譲渡における買い手側は、譲り受けた資産や債務を時価で受け入れ、支払い対価と差額がある場合は税務上のれんとして処理します。
のれんは、5年間で均等償却し法人税の算定上損金に算入することが可能です。
買い手側は譲り受ける資産以上ののれんを高く買い取った分だけ、法人税の課税対象となる利益を5年間にわたって減らせるので、法人税を節税することができます。
手続きに手間と時間がかかる
このように事業譲渡は売り手側・買い手側の両者にメリットがありますが、一方で手続きに手間と時間がかかるというデメリットがあります。
会社売却の場合、基本的には株式の譲渡手続きが済めば売却完了となりますが、事業譲渡では財産ごとに事業継承の許可や許諾を話し合っていかなければなりません。
そのため、会社売却とくらべてどうしても手間と時間がかかります。
また、売り手側は譲渡対象となる事業の財務諸表を作成しなければなりません。
財務諸表は事業ごとに必要となるため、売却する事業と売却しない事業が合算されている財務諸表敷かない場合、別途作成が必要になります。
まとめ
買い手側は消費税が課されるとともに、事業によっては新たに許認可を取得しなければなりません。
会社売却では事業に必要な許認可も承継されますが、事業譲渡の場合は許認可が買い手側に移動することがないため、買い取った事業に必要な許認可を新たに取得する必要があります。
最終更新日 2025年5月12日